October 17, 2011

インタビュー11(最終回)・・・あちらべ

「人の心が豊かになり、社会に対して少しでも良いきっかけを共に与える事が出来れば幸せ」だとおっしゃる、あちらべの赤羽大さん。活版印刷への想いや活動についてお話をうかがいました。

Q1.あちらべの名前の由来は何ですか。
江戸時代から現在でも使用されている言葉の中に彼辺此辺「あべこべ」という言葉があります。
この言葉の由来は、
あちらのほう+こちらのほう=あちらべこちらべ
これが後に略され、彼辺此辺「あべこべ」となったとされています。
「あちらべ」はものづくりによって、より良い方向(あちらのほう)へという意です。
併せて、今年四月に事務所兼工房として僕らの創作の場「こちらべ」もオープンしました。

Q2.印刷物のほとんどがデジタル化してゆく中で、活版印刷を後世に残すことを目的に活動をされているのは何故ですか。
活版印刷に出会ったのは3年前に建築設計事務所から独立した頃です。
あるきっかけで活版の職人さんにレクチャーを受けながらの初体験。
活字棚に並んだ膨大な文字の中から一文字一文字必死に探し、拾い、
文字間や行間も計算しながら隙間無く埋めて製版し、
インクとともに紙に直接プレスして印刷物をつくりました。
この職人さんとの一連の行為によって生まれるヒトの情報量と
印刷物という物質にとても豊かさと魅力を感じました。
ただし、このままではなくなってしまうという現状。
この活版印刷を通してヒトとの関係性やものづくりの面白さを
これからもずっと伝えていきたいと思ったのが始まりです。

デジタル化に伴い、急速に利便性が向上する一方で、
僕らは大事なモノまで省略してしまう自分を恐れていたんだと思います。

Q3.デザインや印刷でこだわっておられる点など教えていただけますか。
こだわっているというよりも、
僕らがいつも考えていることは「行為が設計されているか」です。

意外と単純なことだったりするのですが、
「なんとなく透かしてみよう」とか「つい撫でてしまう」とか
目的に対してヒトが考えたり動いているかなあと
そんなことを毎回ニヤニヤとじっくり考えています。

デザインや印刷、加工はそれを表現する為の方法だと思っています。

Q4.川口暮らふとには、どのような作品が並ぶ予定でしょうか。アピール、メッセージなどありましたらお願いします。
活版印刷を使用したひと味違ったレターセットやカレンダー等をメインに出展致します。
新作のプロダクトも!

作家さんも来場者の方々もきっとヒトが大好きな方が集まるのではないかと思ってますおりますので、
色々な方とお話出来れば嬉しいです!
お気軽に声を掛けてくださいね!
晴れるといいですね!

あちらべ →HPへリンク